ジョハリの窓とは?4つの窓の意味と使い方
ジョハリの窓は、自分についてのことを「自分が知っているか」「まわりの人が知っているか」で4つに分けて見る考え方です。この記事では、考えた人と成り立ち、4つの窓の意味、使い方と注意点を、元の資料を読みながらまとめます。ナカミドの「ヨツマド」がどう作られているかも書いておきます。
誰が、いつ考えたか
考えたのは、アメリカの心理学者ジョセフ・ルフト(Joseph Luft)とハリントン・インガム(Harrington Ingham)です。ルフト本人の解説によると、2人が初めて発表したのは1955年、Western Training Laboratories(グループの成長を扱う研修の場)でのことです。そのときの報告集は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)から出たとされています。
「ジョハリ(Johari)」は、2人の呼び名のジョー(Joe)とハリー(Harry)を組み合わせた名前です。ルフトは1969年に、この考え方をよりくわしく書いた本『Of Human Interaction』も出しています。
1955年の報告集そのものは読めていないため、この記事は、ルフト本人がのちに書いた解説(1961年初出、1982年に再録)などをもとに書いています。
4つの窓の意味
ジョハリの窓は、「自分が知っている/気づいていない」と「他人が知っている/知らない」の2つで、自分についてのことを4つに分けます。
| 自分が知っている | 自分は気づいていない | |
|---|---|---|
| 他人が知っている | 開放の窓 | 盲点の窓 |
| 他人は知らない | 秘密の窓 | 未知の窓 |
日本語の呼び方は、本によって少しずつ違います。この記事では、よく使われる「開放・盲点・秘密・未知」で書きます。
開放の窓:自分も他人も知っている
「よく笑う」「時間に正確」「甘いものが好き」のように、自分でもそう思っていて、まわりからもそう見えていることです。
盲点の窓:他人は知っているが、自分は気づいていない
本人はふつうに話を聞いているつもりでも、まわりは「この人に話すと落ち着く」と感じている。考えごとをすると、腕を組むくせがある。このように、他人からは見えていて、自分では気づいていないことです。長所も、直したほうがいいくせも入ります。
秘密の窓:自分は知っているが、他人は知らない
人前では平気そうにしていても、実は初対面の人と話すのが苦手。まわりには言っていない趣味がある。ルフトの解説では、人に明かしていない思惑や、自分が敏感になっている事柄が例に挙がっています。
未知の窓:自分も他人も知らない
やったことのない役割(司会や後輩の指導など)を任されて、初めて「意外と向いていた」と分かるようなことです。イギリスの看護職向けの取り組み CapitalNurse(Health Education England や NHS England などが支援)の資料も、ある場面を経験したことがないために、自分でもどう動くか分からない部分だと説明しています。ルフトは、この窓は図で描くよりずっと大きく、人との関係への影響も大きいと書いています。
盲点の窓が大事な理由
自分の話し方や表情がまわりにどう届いているかは、自分からは見えにくいものです。盲点の窓は、主に、他人から「自分がどう見えているか」を伝えてもらうこと(フィードバック)で小さくなります。
ルフトは、グループが育っていく中でも、盲点の窓は秘密の窓より縮むのに時間がかかると書いています。自分で見ないでいることには、たいてい心の中の「それなりの理由」があるからです。だからこそ、人から聞く意味があります。
盲点に入るのは、欠点だけではありません。CapitalNurse の資料は、盲点には人との関係でプラスにならないくせが入ることが多い一方、自己評価の低さから自分の長所を見ないでいる人もいると説明しています。「そんなふうに見えていたのか」という長所が見つかるのも、盲点の窓です。
フィードバックを伝えるときは、「あなたは◯◯な人」と決めつけるより、見た場面と行動を添えると、相手も思い当たる場面を探しやすくなります(「発表の前に資料を見直してくれて助かった」など)。
ジョハリの窓の使い方
考え方の基本は、開放の窓を広げることです。ルフトも、開放の窓が小さいほど、やりとりはうまくいきにくいと書いています。広げ方は2つあります。
- 自己開示:秘密の窓にあることを、自分から少し話す。秘密の窓が小さくなり、開放の窓が広がります。
- フィードバック:自分がどう見えているかを、他人から聞く。盲点の窓が小さくなり、開放の窓が広がります。
ルフトは、どれか1つの窓が変わると、ほかのすべての窓に影響すると書いています。
自分を知るために
- 言葉のリストから、自分に当てはまるものを選ぶ
- 同じリストから、身近な人にも自分に当てはまる言葉を選んでもらう
- 重なり方で、4つの窓に分ける
- 盲点の窓の言葉について、思い当たる場面を探す
チームや研修で
ルフトは、できたばかりのグループでは開放の窓がとても小さく、グループが育つにつれて広がると書いています。また、脅かされていると感じると気づきは減りやすく、お互いの信頼があると増えやすい、とも書いています。CapitalNurse の資料も、失敗を責める空気の職場では、人は自分を閉ざしやすくなると説明しています。研修で使うときは、次のことを決めておくと安心です。
- 使う言葉は、前向きなものか、どちらでもないものを中心にする
- 打ち明けることを強制しない。ルフトも、気づきを無理に促す(さらけ出させる)のは望ましくなく、たいてい効果もないとしています
- 結果で人を評価したり、比べたりしない
- 相手が表に出したくない部分は、そっとしておく。ルフトも、表に出ていない部分をくみ取り、それを出さずにおきたい相手の気持ちを尊重することを「感受性」と呼んでいます
否定的な表現を避ける、参加を無理に求めない、安心できる相手どうしで行う、といった点は、リクルートマネジメントソリューションズの用語集でも注意点に挙がっています。
就職活動の自己分析で
就活の自己分析には、友達や家族に自分のことを聞く「他己分析」というやり方があります。ジョハリの窓は、その結果を整理する枠として使えます。自分で思う強みと、他人が選んだ強みが重なっていれば(開放の窓)、自信をもって話しやすい強みです。盲点の窓の言葉は、自分では気づいていなかった強みの候補です。
ただし、言葉だけでは強みの裏づけになりません。その言葉に合う実際の出来事を、自分で思い出して書き添えることが大切です。進め方は他己分析のやり方にまとめています。
よくある誤解
「性格診断の一種」
ジョハリの窓は、点数やタイプを出すテストではありません。ルフトは、人との関係について考えるための手がかりになる図だと書いています。結果は、誰に聞いたか、どの言葉から選んだかで変わります。
「4つの窓は同じ大きさ」
図では同じ大きさに描かれますが、実際の大きさは人や関係によって違います。CapitalNurse の資料は、自分のことをあまり話さない人は秘密の窓と未知の窓が大きく、よく話す人は開放の窓と盲点の窓が大きくなると説明しています。
「秘密の窓はなくしたほうがいい」
開放の窓を広げるのは、何でも打ち明けることではありません。誰に、何を、どこまで話すかは、自分で選んでかまいません。
「言葉のリストから選ぶのが、元のやり方」
言葉のリストから選ぶ進め方は、研修などでよく紹介されています(EBSCO の解説にもあります)。ただ、この記事のために読んだルフトの解説には、決まった言葉のリストは出てきません。窓の考え方を試しやすくする工夫の1つです。
ナカミドの「ヨツマド」の作り方
ヨツマドは、ジョハリの窓を友達どうしで試せるようにした、ナカミドのコーナーです。流れは次のとおりです。
- ニックネーム(1〜12文字)を決めて、50の言葉から自分に当てはまるものを5つ選びます。言葉は、どれも前向きか、どちらでもない言葉です(「聞き上手」「冷静」「マイペース」「人見知り」など)。
- リンクを友達に送ります。友達は登録なしで、あなたに当てはまると思う言葉を5つ選びます。
- 友達が3人答えると、4つの窓が開きます。そのあとも、答えが増えるたびに窓が育ちます。
| 窓 | ヨツマドでの決め方 |
|---|---|
| 開放の窓 | 自分が選び、友達も1人以上選んだ言葉 |
| 盲点の窓 | 自分は選ばず、友達が選んだ言葉 |
| 秘密の窓 | 自分は選んだが、友達は誰も選ばなかった言葉 |
| 未知の窓 | 自分も友達も選ばなかった言葉 |
結果には、それぞれの言葉を何人が選んだか、自分の5つのうち友達にも選ばれた数、いちばん選ばれた言葉も出ます。
なぜ匿名で、なぜ3人なのか
ヨツマドは、誰がどの言葉を選んだかを、窓を作った本人にも見せません。ナカミドのサーバーにも、友達が選んだ言葉は残しますが、誰が選んだかは残しません。名前が出ないほうが、遠慮せずに選びやすいからです。
3人そろうまで窓を開かないのは、1〜2人だと、誰が何を選んだか見当がついてしまうからです。3人そろうまでは、作った本人にも中身は見えません。
ヨツマドで知っておいてほしいこと
- 言葉を前向きか中立のものに絞っているので、盲点の窓には長所が入りやすくなっています。直したほうがいいくせのような盲点は、ヨツマドには出てきません。
- 結果は遊びとしての目安です。心理検査ではありません。
- 窓はいつでも消せます。消すと、友達の答えもいっしょに消え、元には戻せません。
- ニックネームには、本名のフルネームを使わないでください。13歳未満の人は、保護者の同意を得てから使ってください。
よくある質問
何人に答えてもらえばいいですか?
ヨツマドは3人で窓が開きます。人数が増えるほど、1人の見方に左右されにくくなります。学校・バイト先・家族のように関係の違う人に送ると、場面ごとの見え方の違いも出やすくなります。
未知の窓に言葉がたくさん残るのは、ふつうですか?
はい。50の言葉から5つずつ選ぶので、自分と友達3人なら、選ばれる言葉は多くても20です。少なくとも30の言葉が未知の窓に残ります。ヨツマドの未知の窓は「今回は誰も選ばなかった言葉」で、隠れた才能という意味ではありません。
誰が選んだかを知る方法はありますか?
ヨツマドには、誰が選んだかを見る機能はありません。サーバーにも、誰がどの言葉を選んだかは記録していません。ただ、答えが1人増えた前後の窓を見比べると、その人が選んだ言葉の見当がつくことはあります。
参考にした資料
- Joseph Luft「The Johari Window: A Graphic Model of Awareness in Interpersonal Relations」(NTL Reading Book for Human Relations Training, NTL Institute, 1982 に再録。初出は Human Relations Training News, 5(1), 1961):コロンビア大学 オンブズ室が公開しているPDF
- Joseph Luft『Of Human Interaction』(National Press Books, 1969)の書誌情報:Open Library
- CapitalNurse(Health Education England・NHS England・NHS Improvement が支援)「Johari's Window (1955)」:PDF
- EBSCO Research Starters「Johari Window」:ebsco.com
- リクルートマネジメントソリューションズ 用語集「ジョハリの窓とは?」:recruit-ms.co.jp
- Wikipedia(英語版)「Johari window」:en.wikipedia.org
資料は2026年9月28日に確認しました。誤りに気づいたときは、お問い合わせから知らせてください。確かめて直します。
この記事について
この記事は、ナカミドを運営するくぁくぁが、生成AI(Anthropic の Claude)の下書きの手伝いを受けて書き、参考にした資料を開いて内容を確かめました。最終確認日は2026年9月28日です。作り方は編集方針に書いています。まちがいや古くなった情報に気づいたときは、お問い合わせから教えてください。確かめて直します。