他己分析のやり方|友達に聞くときのコツと質問例
他己分析は、友達や家族など、まわりの人に「わたしってどんな人?」と聞いて、自分を知る手がかりにする方法です。この記事では、誰に何人に聞くか、そのまま使える質問、思ってもみない答えの受け止め方、まとめ用の表までを順に書きます。
他己分析とは
自分で自分をふり返るのが自己分析、ほかの人に自分の印象や特徴を聞くのが他己分析です。就活の準備として紹介されることが多く、リクナビの就活準備ガイドでも、人から見た印象や評価を知って自己理解に役立てる方法として説明されています(リクナビ就活準備ガイド)。
なぜ人に聞くと分かることがあるのか
自分のことは自分がいちばん知っている、とは限りません。心理学者 Simine Vazire が2010年に発表した研究では、18〜22歳の参加者165人について、本人による評価と、友達や初対面の人による評価を、知能テストや実験中の行動などの記録と照らし合わせました(Vazire, 2010)。
- 不安や自尊心のような、外から見えにくい特徴は、本人の見方がいちばん当たっていました。
- 知性や創造性のような、「良い・悪い」の評価がからむ特徴は、友達の見方のほうが当たる傾向がありました(とくに創造性)。
- 話し好きかどうかのような、外に出やすい特徴は、本人・友達・初対面の人で同じくらいでした。
「良い・悪い」がからむ特徴は自分では見きわめにくく、外から見えにくい面は本人のほうがよく分かっている、という結果です。1つの研究なので、いつでも当てはまるとは限りませんが、他己分析は自己分析の代わりではなく、自分だけでは見えにくいところを補うものと考えるのがよさそうです。
他己分析が役に立つ場面
就活の自己PR
自己PRの強みは、自分で言うだけだと根拠が弱くなりがちです。何人かから同じ言葉が出てきて、しかも具体的な場面つきで話せれば、エントリーシートや面接で説明しやすくなります。
リクナビの就職ジャーナルが2019年に内定者500人に聞いた調査では、就活中に他己分析をした人はちょうど半数でした。した人のうち74.8%が、参考になったことが「ある」と答えています(就職ジャーナル)。
自分を知りたいとき
進路に迷ったときや、人間関係で同じつまずきをくり返すときなど、自分のくせを見直したい場面でも使えます。自分では当たり前にしていることが、人から見ると長所だった、ということもあります。
チームやグループで
サークルや職場のチームで、お互いの良いところを伝え合うと、役割の分け方を考える材料になります。この場合は長所を中心に聞き合い、短所は本人が望むときだけにすると、みんなが安心して参加できます。
誰に、何人に聞くか
立場のちがう人を混ぜる
人は、場面によって見せる顔が少しずつちがいます。1つの場面しか知らない人ばかりに聞くと、答えもかたよります。次のように、関係のちがう人を混ぜるのがおすすめです。
- 長い付き合いの友達:いろいろな時期のあなたを知っています。
- ゼミ・部活・サークル・アルバイトの仲間:何かを一緒にしたときの、あなたの動き方を知っています。
- 家族:子どものころからの変化を知っています。ただ、距離が近いぶん、見方が決まっていることもあります。
- 知り合って日が浅い人:第一印象を教えてくれます。
人数の目安
何人に聞けばよいという決まりはありません。ただ、1人だけの意見は、その人との関係や、たまたま見た場面に引っぱられます。まずは3〜5人くらいに聞いて、2人以上から似た言葉が出たら、有力な手がかりと考えるとよいでしょう。
頼み方
- 目的を先に伝える(例:就活の自己PRを考えていて、人から見たわたしを知りたい)
- かかる時間を伝える(例:質問は5つで、10分くらい)
- 短所や気になるところも、言ってもらえるとうれしいと伝える
- その場で答えにくければ、あとでLINEやメモで送ってもらってもよいと伝える
そのまま使える質問10個
- 初めて会ったとき、わたしはどんな印象だった? 今はどう変わった?
- わたしの良いところを3つ挙げるとしたら?
- わたしの「もったいない」と思うところは?(短所を直接聞くより答えやすいことがあります)
- わたしが生き生きしているのは、どんなとき?
- わたしに頼みたくなるのは、どんなこと?
- グループの中で、わたしはどんな役回りが多い?
- 「わたしらしいな」と思った出来事を1つ教えて
- わたしが苦手そうだと思うことは?
- わたしを3つの言葉で表すと?
- わたしに向いていそうな仕事や役割は?
全部を聞く必要はありません。相手との関係に合わせて3〜5個にしぼると、相手も答えやすくなります。
「なぜ?」「いつ?」でエピソードを聞く
「やさしい」「しっかりしてる」のような言葉だけでは、自己PRにも自己理解にも使いにくいです。答えが返ってきたら、次のように続けて聞きます。
- どうしてそう思った?
- それはいつ、どんな場面だった?
- そのとき、わたしは何をしていた?
たとえば「段取りがいい」と言われたら、「どの場面で?」と聞いてみます。「学園祭の準備で、最初に役割の表を作っていた」のような答えが返ってくれば、それはそのまま自己PRの材料になります。答えは、その場でメモしておきましょう。
思ってもみない答えが返ってきたとき
他己分析では、自分の思っている姿とちがう答えが返ってくることがあります。そのときは、次の順に考えると落ち着いて受け止められます。
- まずはお礼を言う:その場で言い返したり、言い訳したりしないようにします。次から本音を言いにくくなるからです。
- 何人が言っているかを見る:1人だけなら、その人との関係から出た見方かもしれません。何人もが言うなら、まわりから見たあなたの特徴である見込みが高くなります。
- どの場面の自分かを考える:アルバイト先のあなたと、家でのあなたが、ちがって見えるのは自然なことです。
- 言いかえてみる:「頑固」は「自分の考えを持っている」、「心配性」は「準備をていねいにする」と言いかえられることもあります。ただし、直したい点まで長所に言いかえて片づけないようにします。
先の就職ジャーナルの調査では、他己分析をした人の18.0%が、参考にならなかったことが「ある」と答えています。記事では、見当外れに感じた指摘にも、自分が気づいていない面がふくまれているかもしれない、と添えられています。ジョハリの窓でいう「盲点の窓」にあたる部分です。
自己分析と組み合わせる
他己分析は、先に自己分析をしておくと生きてきます。自分で思う長所を先に書き出しておき、聞いた答えと照らし合わせると、言葉は次の4つに分けられます。
| 自分の見方 | 友達も言った | 友達は言わなかった |
|---|---|---|
| 自分でも思う | 開放:自信を持って言える強み。自己PRの中心にする | 秘密:まだまわりに伝わっていない面。行動で見せていく余地がある |
| 自分では思わない | 盲点:気づいていなかった強み。エピソードを聞いて確かめる | 未知:今回は出てこなかった面。これから育つかもしれない |
この4つは、ジョハリの窓の「開放・秘密・盲点・未知」の窓にあたります。自己PRでは、自分でも思っていて友達も言った強みを、友達から聞いたエピソードと一緒に使うと、話に説得力が出ます。
ヨツマドで、匿名で聞いてみる
面と向かって聞くと、相手は気をつかって、当たりさわりのない答えになることがあります。ナカミドのヨツマドは、名前を出さずに答えてもらえるしくみです。
- 50の性格の言葉から、自分に当てはまるものを5つ選びます。
- できたリンクを友達に送ります。友達は登録なしで、あなたに当てはまる言葉を5つ選びます。
- 3人が答えると、開放・盲点・秘密・未知の4つの窓が開きます。
誰がどの言葉を選んだかは、あなたの画面には出ません。言葉は、前向きなものか、どちらでもないものだけにしています。そのため、短所を指摘してもらう道具ではありません。気になるところも知りたいときは、直接聞く方法と組み合わせてください。つくった窓は、いつでも消せます。
ヨツマドで分かるのは「どの言葉が選ばれたか」までで、エピソードは出てきません。気になる言葉が盲点の窓に入ったら、「〇〇って選ばれたんだけど、思い当たる場面ある?」とグループで聞いてみてください。誰が選んだかを探さなくても、場面の話は聞けます。
ヨツマドの結果は、選ばれた言葉から出した遊びとしての目安です。心理検査ではありません。
就活のESや面接に使いたいときは、他己分析シート(就活)も使えます。強みトップ3・チームでの役割・仕事の進め方を1枚にまとめ、「どの場面でそう感じたか」も選んでもらえるので、エピソードの手がかりになります。恋活・婚活の自己紹介に使うなら他己分析シート(恋活)です。どちらも、作った人の画面には1人ずつの答えは出ません(3人以上の答えを合わせた数だけ)。
まとめ用のワークシート
聞いた答えは、次のような表にまとめておくと、あとで見比べやすくなります。1行目は書き方の例です。紙やメモアプリに写して使ってください。
| 聞いた相手(関係) | 言われた言葉 | そう思った場面 | 自分の見方 | 使えそうなところ |
|---|---|---|---|---|
| 例:ゼミの友達 | 段取りがいい | 学園祭の準備で、最初に役割の表を作っていた | 当たり前だと思っていた | 自己PR・チームでの役割 |
| 1人目 | ||||
| 2人目 | ||||
| 3人目 | ||||
| 4人目 | ||||
| 5人目 |
表がうまったら、2人以上が言った言葉に印をつけます。印のついた言葉と、そのエピソードが、あなたの強みの候補です。
気をつけたいこと
- 無理に頼まない:相手にも都合があります。忙しい時期はさけ、断られても気にしないようにします。
- お礼を伝える:答えてくれた人には、お礼と、どう役に立ったかを伝えましょう。
- 答えを勝手に広めない:聞いた内容を、誰が言ったか分かる形でSNSなどに載せたり、ほかの人に話したりしないようにします。
- 人を責める場にしない:グループで聞き合うときは、1人の短所に話が集まらないようにします。短所は、本人が聞きたいと言ったときだけにします。
- 窓の名前に本名を使わない:ヨツマドの窓の名前は、本名のフルネームではなくニックネームにしてください。
- 答えを絶対のものにしない:人から見えるのは、あなたの一部の場面だけです。自分の気持ちも大事にしながら、手がかりの1つとして使います。
参考にした資料
- 他己分析のやり方は?自己理解を深める質問例、深掘りの仕方、就活での生かし方を解説(リクナビ就活準備ガイド)
- “他己分析”って誰に何を聞けばいい?ぶっちゃけ、やってどうだった?【先輩アンケート】(就職ジャーナル。記事作成日:2019年3月14日、更新日:2024年2月27日。調査期間:2019年2月5日〜7日、対象:2019年3月卒業予定の大学生・大学院生・専門学校生・短大生の就職先内定者500人、調査協力:株式会社クロスマーケティング)
- Vazire, S. (2010). Who knows what about a person? The self–other knowledge asymmetry (SOKA) model. Journal of Personality and Social Psychology, 98(2), 281–300. doi:10.1037/a0017908
この記事について
この記事は、ナカミドを運営するくぁくぁが、生成AI(Anthropic の Claude)の下書きの手伝いを受けて書き、参考にした資料を開いて内容を確かめました。最終確認日は2026年9月28日です。作り方は編集方針に書いています。まちがいや古くなった情報に気づいたときは、お問い合わせから教えてください。確かめて直します。