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反応速度の平均は何ミリ秒? スマホとパソコンで数字が変わる理由

反応速度テストで「280ms」と出たとき、それは速いのでしょうか、遅いのでしょうか。資料に出てくる平均の数字と、同じ人でも数字が変わる理由をまとめました。

結論:だいたい200〜300ms。ただし機器によって数十ms変わる

光や音に反応してボタンを押すだけの単純な反応にかかる時間は、脳科学辞典では「150〜300ms程度」とされています。画面とマウスの遅れまで測った研究では、18〜65歳の大人1,469人の平均が231msで、機器の遅れを引くと213msでした(Woods ほか 2015)。

一方、誰でも遊べる英語のテストサイト Human Benchmark の集計では、中央値が273ms、平均が284msです。研究の平均より40〜50msほど遅いのは、遊ぶ人や測る条件が違ううえに、ふつうのパソコンやスマホでは画面や入力の遅れが大きいことが一因と考えられます。スマホでは、画面とタッチの遅れだけで、機種によって35〜140msあったという測定もあります。

自分の数字をほかの人と比べるときは、同じ種類の機器で測った数字どうしで比べるのが公平です。

反応時間とは

反応時間は、刺激が出てから、外から見てわかる反応が起きるまでの時間です(脳科学辞典)。ナカミドの反応速度テストのように「画面の色が変わったら押す」だけの課題は、単純反応時間と呼ばれます。

いくつかの刺激を見分けて、どう反応するかを選ぶ課題(選択反応時間)は、もっと時間がかかります。脳科学辞典によると、1860年代にドンデルスらが、聞いた音声と同じ音を声に出す課題で測ったところ、単純反応時間は平均201ms、選択反応時間は平均284msでした。「反応速度の平均」を調べるときは、どちらの課題の数字かを確かめると混乱しません。

よく見かける「平均」を並べると

出どころ数字どう測ったか
脳科学辞典「反応時間」150〜300ms程度目で見たり耳で聞いたりしてボタンを押す場合の目安
Woods ほか(2015)実験1平均231ms(機器の遅れを引くと213ms)18〜65歳の1,469人。画面とマウスの遅れを実測したパソコン
Woods ほか(2015)実験2平均237.8ms(機器の遅れを引くと220ms)18〜82歳の189人。別の研究室で、ほぼ同じ方法で測定
Human Benchmark の統計中央値273ms・平均284msサイトで記録された8,100万回以上のクリックの集計。使う機器は人によって違う

研究どうしでも数字はそろっていません。Woods らは、最近の研究の平均が233msから400ms近くまで違うことを挙げ、テストのやり方やパソコンの違いが理由かもしれないと書いています。

スマホとパソコンで数字が変わる理由

測りたいのは「色が見えてから指が動くまで」ですが、実際の記録には機器の遅れが上乗せされます。遅れは大きく2つです。

  • 表示の遅れ:プログラムが「色を変える」と命令してから、画面が実際に光るまでの時間
  • 入力の遅れ:指やマウスが押されてから、プログラムがそれを受け取るまでの時間
機器測られた遅れ出どころ
Woods らの研究のパソコン画面11.0ms+マウス6.8ms=17.8msWoods ほか 2015
ふつうのパソコン30msほどが典型的Human Benchmark
スマホ26機種画面とタッチの合計で35〜140ms。真ん中の半数は60〜90msNicosia ほか 2022

画面もタッチも「一定の間隔」で動いている

画面は1秒間に決まった回数だけ絵を書き換えています。1秒に60回(60Hz)の画面なら1コマは約16.7ms、120Hzなら約8.3msです。色を変える命令が出ても、次の書き換えが来るまでは画面に出ません。タッチパネルも決まった間隔で指を読み取っていて、Nicosia らの測定では、タッチの遅れの最大と最小の差が、その読み取り間隔から予想される幅に近くなっていました。

スマホは機種による差が大きい

Nicosia らは、光センサーとタッチ用の部品をつけたロボットで、26機種のスマホの遅れを測りました(結果は上の表)。処理性能や値段との関係がはっきり見られたのは表示の遅れのほうで、性能が高く値段の高い機種ほど表示の遅れが小さい傾向がありました。タッチの遅れには、そうした関係は見られませんでした。

研究者たちは、単純な反応時間はだいたい200〜300msなので、機器の遅れの違いが、人どうしやグループどうしの差を大きく見せたり隠したりしうると指摘しています。Human Benchmark も、記録が年々わずかに遅くなっているのは、新しいOSの見た目の効果や、クリックより遅く出やすいスマホのタップが増えたためだろうとしています。

機器のほかに数字を動かすもの

年齢

Woods らの実験1では、18〜24歳のグループが約218ms、59〜65歳のグループが約239msで、1年あたり0.55ms、10年でおよそ5.5ms遅くなる計算でした。刺激に気づくまでの時間は年齢で変わらず、研究者は、年齢による遅れは主にボタンを押す動きから来ていると考えています。脳科学辞典でも、反応時間は多くの課題で20代がもっとも短い一方、単純反応時間の年齢による伸びはゆるやかで、高齢の人と若い人で差が見られないこともしばしばある、とされています。

性別

ここは資料によって書き方が違います。Woods らは男女で差は見られなかったと報告し、女性のほうが遅いとした過去の大きな研究もあることに触れています。脳科学辞典には、単純反応時間で女性のほうが平均して数10ms長いという記述があります。結果が一致していないので、性別で速さが決まるとは言えない、と考えておくのが無難です。

疲れと眠気

同じ課題を長く続けると、注意が続かなくなったり疲れたりして、単純反応時間はしだいに長くなります(脳科学辞典)。Woods らの実験でも、最初の20回の平均228.1msが最後の20回では237.2msになり、研究者は疲れの影響としています。

眠気の影響はもっとはっきりしています。眠気の強さを調べるのによく使われる反応テスト(PVT)では、睡眠不足で反応が全体に遅くなり、500ms以上かかる「うっかり」の回が増えます(Basner と Dinges 2011)。夜ふかしした翌朝の遅い数字は、実力よりその日の体調が出ているのかもしれません。

練習と慣れ

慣れると少し速くなります。落ちてくる定規をつかむテストを、43人(平均21.8歳)に5週間で10回受けてもらった研究では、1回目から2回目で7ms近く、10回目までで13ms近く速くなりました(Del Rossi ほか 2014)。1回目と2回目だけの差は統計的にはっきりしませんでしたが、1回目とその後の多くの回との差ははっきりしていました。研究者は、基準になる記録をとる前に、少なくとも1回は練習の回を入れるよう勧めています。ナカミドのテストが最初の1回を練習にして数えないのも、不慣れによるずれを減らすためです。

合図の間隔

Woods らの実験では、合図と次の合図の間隔を1.0〜1.8秒でランダムに変えていて、間隔がいちばん短いときは反応がおよそ15%遅くなりました。前の合図からすぐ次が来た回は、遅く出やすいということです。

いちばん速い回と遅い回を外す理由

反応時間は、同じ人が同じ条件で測っても1回ごとにかなりぶれます。Woods らの実験1では、一人の中での1回ごとのばらつき(標準偏差)が平均40msありました。さらに反応時間の分布は、速さには限界がある一方で、とても遅い回もある程度混じるため、右に裾の長い形になります(脳科学辞典)。

こうした両端の回は、平均を大きく動かします。

  • 速すぎる回:合図を見ずに、タイミングを読んで押した可能性があります。脳科学辞典は、100〜150ms程度を下限にして、それより速い反応をフライングの可能性が高い外れ値として扱う方法を紹介しています。PVT の研究でも、100ms未満は「フライング」として数えています。
  • 遅すぎる回:まばたきやよそ見など、速さとは別の理由が混じりやすい回です。PVT の研究では、500ms以上を「うっかり」として別に数えています。

脳科学辞典には、分布がゆがんでいるため、ふつうの平均のかわりに中央値がよく使われ、外れ値を除くのも有効だと書かれています。ナカミドの反応速度テストは、合図から100ms未満のタップをフライングとして測り直したうえで、練習1回のあと本番8回を測り、いちばん速い回と遅い回を外した6回の平均を出します。たまたまの1回に左右されにくくするためです。くわしい手順は反応速度テストの計算のしかたに書いています。

公平に比べるためのコツ

  1. 同じ機器で比べる。スマホとパソコン、別の機種どうしの数字には、機器の遅れの差がそのまま入ります。友達と比べるなら、同じスマホを順番に使うのがいちばん公平です。
  2. 持ち方と画面の明るさをそろえる。片手で持つか机に置くかで、指の動きが変わります。脳科学辞典によると、刺激が明るいほど単純反応時間は短くなります。
  3. 体調が違う日と比べない。眠い日や、続けて疲れたときは遅く出やすくなります。
  4. 1回で決めない。1回ごとのぶれは大きいので、時間をあけて何度か測るのがおすすめです。
  5. 研究の数字と直接比べない。研究の213msは、機器の遅れを引いた値です。家のパソコンなら30msほど、スマホなら機種によって35〜140msほどの遅れが上に乗ります。

よくある質問

200msを切ったら速いほう?

機器の遅れを引いた研究の値でも、いちばん若いグループの平均がおよそ200msでした(Woods ほか 2015)。遅れが上乗せされるふつうのスマホやパソコンで、何度測っても200ms前後が続くなら、かなり速いほうだと考えられます。1回だけの記録は先読みが混じることもあるので、平均で見てください。

ゲーミングモニターや速いマウスにすると記録は良くなる?

変わるのは、あなたの反応ではなく機器の遅れの部分です。書き換えの速い画面なら、書き換えを待つ時間は短くなりえます。記録が良くなっても、別の機器の数字と比べるときは、その差が入っていることを覚えておきましょう。

反応が遅いと、運転などに問題がある?

ナカミドのテストは遊びとしての目安で、医学的な検査や診断ではなく、運転の適性を判断するものでもありません。機器や体調で数十ms変わるので、1回の数字で心配しすぎる必要はありません。ただ、急に反応が鈍くなった、見えにくいなど、ふだんの生活で困ることが続くときは、医療機関に相談してください。

自分の数字を測ってみる

「上位◯%」は、スマホもパソコンも合わせた、遊んだ人全体の中での位置です。端末によって数十ミリ秒変わるので、友達とは同じ種類の端末どうしで比べるのがおすすめです。遊んだ人が100人に届くまでは「集計中」と表示されます。同じ端末で、元気なときに何度か試してみてください。

反応速度テストをやってみる

数字の出し方は計算のしかたで公開しています。

参考にした資料

この記事について

この記事は、ナカミドを運営するくぁくぁが、生成AI(Anthropic の Claude)の下書きの手伝いを受けて書き、参考にした資料を開いて内容を確かめました。最終確認日は2026年9月28日です。作り方は編集方針に書いています。まちがいや古くなった情報に気づいたときは、お問い合わせから教えてください。確かめて直します。